依頼まで至らないホームページの主な要因と対策

営業用として何らかの依頼、受注、購入を目的としたホームページ(ウェブサイト)を作って公開したものの、目標達成まで至ることができなかったり、達成件数が極端に低かったなら、まず要因がどこにあるのかを突き止めなければなりません。

人の流れを意識して、「澱み」や「乖離」を見つける

ウェブサイトは、訪問者が検索やリンクを辿って移動してくる(そしてウェブサイト内でも移動する)ものなので、反応率が低い場合にはその流れを意識して、どこに澱みが生じているのかを把握する作業となります。

訪問者の数が極端に少ない場合

その前提となる話ですが、そもそも、そのウェブサイトに訪問者がほとんどいないとか、1日に数人しか訪れていないという状況であれば、澱みを見つける以前に、流れ自体が存在していない状態です。

これはアクセス解析などを確認すれば一目瞭然ですから、まず訪問者数を上げる対策を施さなければなりません。

主な対処法

訪問者に利益となる記事(コンテンツ)のページ数を増やすなど、いわゆるSEO的な対策で検索サイトからの流入量を上げるのが第一になります。それとともに、リスティング広告など、費用を投じることで作り出せる流れも、要検討です。

コンテンツの増加と、その結果としての検索結果への表示などは、数か月から1年をかけてじわじわと変わってくることが多いので、大抵の場合、より短期に効果の出やすいリスティング広告を併用して相互の長所・短所を埋めあうように進めることが近道です。

訪問者の数はそこそこあるが、目標達成に繋がらない場合

アクセス解析などを確認すると、毎日の訪問者数はそれなりにあるものの、本来意図した結果に繋がっていない、目標達成に至らないという場合です。大きな要因は、次のいずれかであることがほとんどです。

最終的なアクションへの導線が弱い

ひとつは、電話やメール問い合わせ、商品注文などへの導線が弱いという要因です。訪問者がウェブサイトの内容を把握し、共感し、いざアクションを起こそうと思っても、連絡手段などがわかりやすい場所に明確に提示できていなければ、訪問者の困惑や躊躇を生み、結果として反応の乏しさにつながってしまいます。

つまり、ウェブサイトへの流入はしっかり確保できているのに、ウェブサイト内部で澱みが発生している状態です。

主な対処法

電話・メール・注文ボタンなどでアクションを起こしてもらいやすいような施策を行います。

  • 電話番号は見やすい色で見つけやすい場所に配置しているか
  • 電話番号はウェブサイトの複数個所に設置しているか
  • 電話番号とあわせて、受付時間は記載されているか
  • 電話番号の周囲に営業所所在地などは記載されているか
  • 同様に、お問い合わせフォームへの導線は確保されているか
  • お問い合わせフォームの項目が多すぎないか
  • 気軽にメールを送信できる文面が併記されているか
  • 注文ボタンはわかりやすい位置や色で配置されているか
  • 注文ボタンを押した後のフローに注文者の負担を増やす要素はないか

などを確認していきます。

ただし、最終的に訪問者に行なってもらいたいアクションは、何かひとつに絞るほうが迷いを生まずに反応率が高くなりますので、たとえば電話相談とメール相談を取り扱う場合であっても、どちらか一方をメインに押すほうが無難です。

ここでは連絡手段への導線だけピックアップしましたが、もしかするとそれ以前のコンテンツの流れが悪く、途中で訪問者が離脱している可能性もあります。またサイト全体の雰囲気などが悪い(サービス内容と合っていない)ことが要因で、意図した反応が得られないという可能性も考えられます。

訪問者の意図とウェブサイトの意図の乖離

もうひとつの要因としては、訪問者の層とウェブサイトの内容(コンテンツ)の不一致によるものが挙げられます。

これは検索結果やリスティング広告から訪問者を呼ぶことはできていても(つまりウェブサイトへの流れは存在するものの)、その流れ自体がウェブサイトの内容と相いれないものであるため、目標達成に繋がらないという状態です。

前述の電話やメールへの導線確保をしっかり行ったにもかかわらず、訪問者数のわりに電話やメールに繋がらないという状況であれば、ウェブサイトへ流入している訪問者の層が、そこで紹介されているサービスを求める層とはかけはなれている可能性が高いです。

具体例

たとえば、これは行政書士のウェブサイトに関してですが、宅建業免許の申請業務を行うウェブサイトを設置して、コンテンツを多数用意して、アクセス数も多くなったものの、ご相談やご依頼に繋がらないという場合。こんなときは、アクセス解析などをよく確認して、どのような検索ワードで訪れているのかを、あらためて確認してみましょう。

アクセス解析のキーワードなどから、宅建業免許を取得しようという層ではなく、宅建取引主任者の受験生が、受験勉強でわからなかったところを検索してたどり着いているなど、意図していなかった層が多数流入しているだけということは、起こりがちです。

主な対処法

このようなパターンでは、コンテンツの内容を修正して、乖離した状態を補正しなければなりません。前述の例でいえば、コンテンツの比率を宅建業や宅建業法全般の知識よりも、免許取得の手続き面に関するものへとシフトすることになります。

アクセス数だけを見ていても、訪問者の意図とウェブサイトコンテンツ間の乖離には気づきにくいので、「アクセス数はあるのに、反応がない」という漠然とした問題意識しか生じず、結果として「ウェブサイトを作ったけれど意味がなかった」という結論に達してしまうことが多いです。

ウェブサイトの改善は、アクセス解析に蓄積されたデータの分析がとても大事ということですね。

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